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【徹底検証】ギター・シールド徹底検証その5 ~MONSTER CABLE~

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みなさんから「いつやるんだ?」とお声を頂いていたにも関わらず、じらし続けていたブランドが遂に登場です。

プロフェッショナル・ケーブルの先駆者的な存在であるMONSTER CABLE、世の中ではいろいろな評判が出ていますね。
実際はどうなんでしょう?! じっくり検証して、しっかり選べるようにお手伝いしますよ~!

MONSTER CABLE

MONSTER CABLEは、ミュージシャンであり、エンジニアでもあり、そして物理学者でもあるノエル・リー氏によって創立されました。1978年のことだそうです。
そのころはまだ「AC電源用のケーブルをスピーカーケーブルとして使っていた」(驚!!)世の中だったそうです。
そんな中、彼は「マルチゲージ・ワイヤーネットワーク構造」を持つオーディオ専用のケーブルを開発」しました。

「マルチゲージ・ワイヤーネットワーク構造」?

それは、音が電気信号となってケーブルを伝う時、高音と低音ではその伝達速度に違いがあるという物理現象を克服したケーブルを開発したということです。
ケーブルを伝う音の周波数ごとに異なる長さの芯線を伝わらせるという構造は、MONSTER CABLEは一躍、ミュージシャンやエンジニアにとってのスタンダードになっていきました。

MONSTER CABLE愛用者

MONSTER CABLEを愛用するアーティストは数多くいらっしゃいます。

Earth, Wind & FireEarth, Wind & Fire Zakk Wylde Zakk Wylde Kerry KingKerry King SlashSlash Stevie WonderStevie Wonder
Ozzy OsbourneOzzy Osbourne Joe PerryJoe Perry Cheap TrickCheap Trick George BensonGeorge Benson Lee RitenourLee Ritenour
FleaFlea Sammy HagarSammy Hagar Tower of PowerTower of Power Tommy ShawTommy Shaw Dave MustaineDave Mustaine

MONSTER CABLE公式サイトより

すごいメンツですw
このほかにもB.B. KingやBrian Setzer Orchestra、Deep Purple、Def Leppard、George lynch、Herbie Hancock、Kiss、Korn、Limp Bizkit、Linkin Park、Marcus Miller、Motley Crue、Queen、Ratt、White Snake、ZZ Topなどなど、挙げ始めたらキリがありません。

ハードなMETALからJazzまで幅広いジャンルのアーティストに支持されるMONSTER CABLE、その魅力に迫ってみたいと思います!

【おさらい】基準シールドと使用楽器

いつものように、基準シールドはCANARE、使用楽器は以下のとおりでいきます! 基準&ルールについての細かいお話は「Belden編」をご参照下さいませ。

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基準シールド  CANARE G03 
販売価格 ¥2,100(税込)
使用シールド 3m
使用楽器 ギター:History GH-SV/C(シングル・コイル)  ベース:Cool-Z  ZJB-1R/5(ジャズベース・タイプ・パッシブPU)

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MONSTER CABLE検証スタート

①『MONSTER ROCK』3m S/S

まずはド定番、MONSTER ROCK!
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M ROCK-12 3.6m/S-S 販売価格¥6,930(税込)

「ソリッド系のギターとのマッチングが良く、カッティングによるバッキングからパワフルなリードサウンドまで、幅広いロックサウンドを忠実に再生します」とメーカーサイトに記述がありますね。
イメージでは、中域がすごく強いイメージなんですが、さて、どうでしょう?
じっくり鳴らしてみたいと思います。
S-mrock
【ギター】思っていたイメージとは違ってとてもフラットです! 音量がしっかり出てクリアな印象。世間で言われているような「音を太くする」というよりは「素直に劣化も少なくギターの音をアンプに伝える」というイメージですね。
【ベース】音の煌びやかさが目立ちます。抜けの良さは低音の5弦でも感じることが出来ました。高音域も出すぎず、バランスの良さがあります。POPSやROCKに合います。

良い意味で裏切りを受けました。
世間一般で言われる「MONSTER CABLEは音が太くなる」というイメージは無くなりましたね。
とても素直な音のイメージです。
それでいて劣化が少ないから音量もあるという、この価格帯でもかなり上位に位置する優秀なシールドだと思います。

■オススメマッチング

『MONSTER ROCK』を使用したら気持ちいいサウンドが出そうなギター、ベースを紹介しますね。


やはり、元の音がしっかり太いギターや、5弦ベースにはMONSTER ROCKがよさそうです。

②『MONSTER BASS』3m S/S

こちらは名前のとおりベース用ですね。
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M BASS-12 3.6m/S-S 販売価格¥6,615(税込)

「芯線内部に2本の太いコア線(低域用)を用いることで、低域伝達特性をより向上させている」とのこと。これはRed Hot Chill Peppersの「FLEA」が愛用していることで有名なモデルですね。
S-mbass
【ギター】MONSTER “BASS”ですが、ギターでも検証してみました。“BASS”の名のとおり低域~中域がしっかり出てくるシールドです。それでも弦の分離感はしっかりあってクリアに聴こえます。シングルコイル・リアPUでハイポジションのソロを弾くと高音域が耳にキンキンしがちですが、MONSTER BASSなら粘りもあって最適ですね。
【ベース】さすが名前に“BASS”とつくだけあってベースとは相性バツグン。全体的に音が太くなる印象ですが、こもっているわけではない、低音がゴリゴリしたサウンドで心地いいです。ちょっと重たい曲、ハードロックに合うと思います。

FLEA愛用とのことで、「ベース用」というアタマになっていましたが、なかなかどうして、ギターで使用しても気持ちいいシールドです。
単純に音が「太い」というイメージを持てますね。ただこの「太さ」は、変な味付けで「太い」というよりは劣化の少なさで太くなったという印象です。
ギタリスト(特に高音域が出すぎるギターを使用している方)にオススメしたいシールドだったりします。
あ。ベース用としてももちろん最適ですよ。

■オススメマッチング


MONSTER “BASS”なので、もちろんBASS全般に向いてそうです。FLEAの音のイメージを作るならこんなBASSはいかがでしょう?
ギターに関しても、高音域が前に出てくるようなギターにあえて使うことでバランスを整えるのもアリかと思います。

③『MONSTER JAZZ』3m S/S

さてお次は「JAZZ」の名を冠したこちら。
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M JAZZ-12 3.6m/S-S 販売価格¥7,560(税込)

これは方向性があるケーブルですね。
「最上位機種であるSTUDIO PRO1000と同じ構造」とメーカーサイトにあります。
そこからノイズ処理などを独自に施しているようですね。
S-mjazz
【ギター】“JAZZ”らしく、キンキンした高音域を押さえてありますね。低~中域がしっかり出てきます。音に丸みもあって心地いい感じです。歪ませてもパワー感があり、逆にヘビーに「ザクザク」刻む人にもいいかも知れません。
【ベース】ベース本体のサウンドの特徴が素直に出てくる、ナチュラルなケーブルです。自然すぎて、いつまでも弾いていたくなります。暖かみがあり、「これがJAZZ BASS SOUNDだ!」と思わせてくれました。JAZZはもちろん、アコースティックバンドでも良さそうです。

この「ナチュラル」な感じは他じゃなかなか出ません。
丸みがあって、ハイファイすぎず、適度なバランス感覚だと思います。
甘いクリーンサウンドを多用するJAZZだけでなく、サウンドの方向性がそっち方面でしたらかなり使えるシールドです。

■オススメマッチング


うあはりJAZZで頻繁に使用されるギターやエレアコはもちろん、攻撃的なギターに合わせてパワー感を演出するのもアリでしょう。
ベースはフレットレス・ベースでJAZZYなサウンドを出したいですね。

④『STUDIO PRO 1000』3m S/S

とうとうやってきました、MONSTER CABLE最上位モデルのSP1000。
1万円の大台を超えるこのシールド実力やいかに?!
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SP1000-I-12 3.6m/S-S 販売価格¥14,175(税込)
※画像はSP1000-I-12A 3.6m/S-L 販売価格¥14,490(税込)

このシールドも方向性がありますね。
3重構造(低域用、中域用、高域用)の芯線2本と密度97%の銅製網線シールドで構成されているというSP1000。
デュラフレックス・ジャケットと呼ばれる編みこみの、柔軟なシースが魅力的ですね~
S-sp1000
【ギター】まず最初に感じたのは、「音が大きい!」ということ。前に飛び出してくる感じです。音質的には中高域にピークのある、ハリのある音質で、レンジが広く反応も良好です。1万円の大台を超えるハイエンド・ケーブルらしい音質です。
【ベース】まず、中域がグッと出てくるのに驚かされました。輪郭がしっかりありながら、MONSTER BASSの低音域のよさとMONSTER ROCKの高音域の良さを兼ね備えています。全音域がそれぞれキレイに出るオールラウンダーですね。

今回何よりも驚いたのが、そのクオリティです。
世の中に数多ある良質なシールドの中でも、ここまで音質が明確に「良い!」と分かるシールドも珍しいと思います。
MONSTER JAZZと真逆の位置にあるような存在ですね。

■オススメマッチング


レンジが広いので、元々のサウンドもそういったイメージのギターと相性がよさそうです。
ベースも同様にオールマイティなイメージのモデルに合わせて使用したいですね。

⑤『STANDARD 100』3m S/S

MONSTER CABLEの中では最も手ごろなお値段のエントリーモデル、S-100です。
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S100-I-12 3.6m/S-S ¥4,200(税込)

プラグ部にMONSTER CABLEオリジナルデザインの硬質樹脂モールドプラグを採用したエントリーモデル、STANDARD 100。
エントリーモデルとはいえ¥4,200という価格の製品ですので、期待が持てそうです。
S-s100
【ギター】MONSTER CABLEのエントリーモデルなだけあって、「らしい」音がします。低~中域にピークを持たせてパワー感を出していますね。ただ、上位モデルと比べると多少分離感が落ちますね。歪ませてコードを鳴らしたときはわずかながらつぶれる印象はあります。
【ベース】どちらかというとこのシールドはベース向きですね。ベースでは輪郭、粒立ちがハッキリしています。速いパッセージの曲や、ゴーストノートを出したい曲に合うのではないでしょうか? この音のクセ、ハマる人はハマります。他のラインナップとは印象が違いますね。フュージョン等に合いそうです。

MONSTER CABLEのイメージらしい、同価格帯のシールドと比べるとパワー感のある音です。
エントリーモデルということで多少の分離感の粗さは見えますが、おしなべて優秀なシールドだと思います。

■オススメマッチング


価格も手ごろなこのシールドだけに、お手ごろ価格のギター、ベースで使用してサウンドをグレードアップするようなイメージでしょうか。
MONSTERらしい中域がおいしく出てくれそうなモデルたちです。

検証後記

今回の検証で、MONSTER CABLEに対する印象がガラリと変わりましたね。
世の中では「ミドルの強い、パワーのある音」として認知されていることが多いような気がしますが、総じて「クリアで素直」という音質が印象的でした。

ちなみに、ケーブルを流れる電気信号の、周波数帯における速度の違いに着目して作った技術が、以下の2種類。
特許構造ですね。

■3Way マルチゲージ・ネットワーク構造

これはSTUDIO PROに採用されている構造です。
3way_multi
低域、中域、高域という3種類の芯線を用意して、一番伝達速度の遅い低域用を中心に直線で、伝達速度の速い中域用、高域用は低域用のまわりにまきつけることで、それぞれの伝達速度を同じにしています。
これによってSTUDIO PROのレンジの広さにつながってくるわけですね!

■2Way マルチゲージ・ネットワーク構造

これはROCK、BASS、JAZZ、3モデルに採用されている構造ですね。
2way_rock
考え方、構造は3Wayと基本的に同様ですが、こっちは低域用と高域用の2本の芯線になっています。

MONSTER CABLEケーブルホルダー

MONSTER CABLEにはケーブルホルダーが付属しています。これはうれしい。
モデルによってカラーが違うようなので、それぞれの画像を掲載しておきますね。

左から、『ROCK』『BASS』『JAZZ』『STUDIO PRO』『STANDARD』です。 カラフル♪
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■STANDARDだけのケーブルマーキング用リング

STANDARDシリーズにはこちらのリングが付いてきます ↓
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シールドを何本も使用する際、出力側と入力側が煩雑になって混乱しないよう、色別にリングを付けて管理できます♪

いかがでしたでしょうか、『ギター・シールド徹底検証その5 ~MONSTER CABLE編~』?
これだけ世の中で人気がある理由が分かりましたね!
ぜひ皆さんも店頭でお試ししてみて下さい。

■MONSTER CABLEスペック表

各モデルのスペックを記載します。画像をクリックすると拡大しますので、シールド選びの参考にしてみて下さいね~
MONSTER CABLE スペック表
※クリックすると拡大します
※「-」はメーカー公表ナシ

MONSTER CABLEのご注文は島村楽器オンラインストア、および全国の島村楽器店舗までどうぞ

イオン葛西店にて特設試奏コーナー展開中!

今回検証した「MONSTER CABLEシールド」5モデルはすべてイオン葛西店特設試奏コーナーにて展示中(2013年8月30日(金)まで)!
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CAJオヤイデLIVELINEも期間延長展示中~

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