複数のエフェクターを使いこなしているぜっ!! という方や、
男はアンプ直結だ!! という方まで様々いらっしゃると思います。
ギターと比べると、出番が少ない印象のあるベースエフェクターですが、やっぱあると、いろいろ便利!
第3弾は、「ベース用歪みエフェクター特集」
今回は、ベースのエフェクターも特集してほしいというご要望にお応えして歪み系にスポットを当て、徹底検証してみます。
ベースの歪みの用途は様々ありますが、ざっくりわけると2パターン
- ベースソロや印象的なフレーズを際立たせるために使用する時
- 常に軽く歪ませ、ベースサウンドの印象をよりゴリゴリさせる時
というように使用される方が多いのではないでしょうか?
検証の上で、今回使用するベースはこちら!
アルダーボディ特有の粘りのある中音域が深く芳醇なトーンが特徴のジャズベースです。アクティブ/パッシブの切り替えが可能ですが、今回はパッシブで弾いてみます。
録音環境は、ベース→エフェクター→オーディオインターフェイス→PC(DAW)となっております。
ちなみに、何もエフェクトをかけていない基準のフレーズはこちら。
BOSS ODB-3
レッチリのフリーが使用していることでも有名な、エフェクターの定番BOSSから発売されているベースオーバードライブODB-3。
数々のギター用歪み系エフェクターを発売しているBOSSですが、ベース用の実力はいかに?!
1994年1月に発売されたODB-3。
BOSSの初の歪みエフェクターOD-1の発売が1977年11月ですので、ギターより約17年遅れての登場です。
BOSSのベース用エフェクターは歪みより空間系の方が発売が早かったんですね~。
1994年の日本といえば、小室哲也さんがプロデュースした曲が大ヒット!またビーイング系アーティスト(B’z、WANDS、ZARD、DEEN)が活躍していました。まだまだベースが歪んでいた印象はありません。
一方、アメリカではグランジやオルタナの人気が沸騰。なんだかベース歪んできそうですよね(笑)
コントロール類はLEVEL、EQ(HIGH/LOW)、BALANCE、GAINという構成。
ベースのダイレクトな音と歪みのバランスを調節させることができるBALANCEつまみと、サウンドキャラクターを幅広く変化させることができるEQがポイントです。
歪みを若干効かせたFATサウンド
では、早速鳴らしてみましょう!
ソロではなく、ベースラインとして使えるように軽く歪ませ、ベースサウンドを際立たせてみます。
BALANCEつまみをDRY側にしぼり、ブースター的に使用してみました。
GAINは軽くかけているだけなのですが、けっこう音にザラ付きがでてきますね。ベースラインに使えるようEQはLOWをブーストさせています。
こういったサウンドは、やはりベース用特有ですね。
印象的なソロに合うような、ドライブサウンド
GAINをかなりかけて、飛び道具的に使ってみました。
わかりやすい歪みサウンドが作れますね。もっとGAINを上げ、BALANCEをODに向ければ、まだまだ歪みますよ
スラップにエフェクトをかけてみました。
ブースターのようにGAINを多少かけつつ、メリハリがでるようにEQをHIGH/LOWともにブーストさせてみました。
全体的に音が際立ち、聴き取りやすくなりましたね。
まず、他のベースエフェクターと比較すると、オーバードライブというネーミングながらガッツリ歪む印象ですね。
EQをコントロールすれば、ベース用ならではの低音も出ますし、あえて低音をけずった飛び道具的なサウンドも作ることできます。
ギタリストがディスト―ションやファズをかけるように、ベースも歪ませたいという方にはおススメですね。
発売以降、20年近くBOSSのレギュラーラインナップとして発売されていることが納得できるサウンドメイキングがしやすく、かつ音作りの幅が広いエフェクターです。
メーカー希望小売価格:オープンプライス
販売価格¥9,900(税込)
EBS MultiDrive
お次にご紹介するのはEBSのMultiDrive。
EBSといえば、ベースプレイヤーのために本当に必要な機器を設計し、提供して行こうという思いの元に創業されたメーカー。
その実力が楽しみです♪
発売されたのは2001年春頃。
ベースの歪みも大分認知が付き、使用するミュージシャンが増えてきた印象ですね。
ゴリゴリのロックサウンドを特徴とするバンドだけでなく、あらゆるジャンルのバンドが使用するようになってきました。
コントロールはDRIVE、VOLUMEとシンプルなノブに加え、
ヴィンテージ・クラスAアンプのシミュレーションによるチューブとスタンダード、そしてフラットの3つのオーバードライブが切り替え可能なスイッチを搭載しています。
このスイッチがMULTIDRIVEのポイントですね。
歪みを若干効かせたFATサウンド
温かな歪みのTUBESIMを選択し、ブースターのように使ってみました。
EQはありませんが、ベース用ならではの低音が効いてますね。
真空管アンプを歪ませた独特なニュアンスを楽しめますね。
印象的なソロに合うような、ドライブサウンド
これぞオーバードライブといった王道サウンドが得られるSTDモードを選択。
DRIVEつまみをフルにした状態の歪みがこのサウンドです。
スラップにエフェクトをかけてみました。
STDモードを選択し、DRIVEは10時の方向にしました。
軽く歪みがかかり、かっこいいスラップサウンドに仕上がっていますね。
ベース用歪みとして外せない低音もしっかりしてます。
さすがベースプレイヤーのためのブランド、EBS。
シンプルなコントロールながら、ベーシストが求めるツボをついたサウンドをしっかり押さえているところはさすがですね。
まだエフェクターの操作や音作りに慣れていない方も安心して使用できると思いますよ。
ちなみに今回サウンドは紹介しておりませんが、スイッチをFLATにいれた時のファズサウンドも低音が効いていて良いですよ。
EBS
MultiDrive
メーカー希望小売価格¥26,775(税込)
販売価格¥22,800(税込)
SANSAMP BASS DRIVER DI
ベース用の歪みといえば、コレを思い出す人が多いのではないでしょうか?
私の学生時代、音楽雑誌を読んでいると、様々なプロミュージシャンの足元にあり、あこがれの機種でした。
プリアンプ/ダイレクト・ボックスとしても活躍するこの機種ですが、オーバードライブの機能があるので、歪み系エフェクターとして使用するベーシストも多いですね。
今回は歪み特集ですのであくまで歪みエフェクターとして使うという視点でご紹介します。
BOSSのODB3同様、 長年様々なミュージシャンに愛用し続けられている機種です。
今回、申し訳ありませんがはっきりとした発売時期は特定できませんでした・・・。わかりましたら追記いたしますね~。
コントロール類はLEVEL、BLEND、TREBLE、BASS、DRIVE、PRESENCEという構成。
それ以外にOUTPUTのLINE or INSTの選択ができるスイッチ、PHANTOM & GROUND CONNECTスイッチ、XLRのLINE or INSTの選択ができるスイッチを搭載しています。
歪みを若干効かせたFATサウンド
軽く歪ませただけで、特にEQも特別なセッティングを行っていないのですが、かっこいいファットなサウンドです。
ハイポジションを弾いた時の艶やかな感じは、やはりSANSAMPといったところでしょうか?
印象的なソロに合うような、ドライブサウンド
続いては、DRIVEもフルに上げ、思いっきり歪ませてみました。
DRIVEはフルですが、そこまで激しい歪みサウンドではなく、実用的な範囲の中に収まっている印象ですね。
他のエフェクターと比べると歪みの質も違う印象ですね。
スラップにエフェクトをかけてみました。
高音と低音のメリハリが効くようにEQをいじり、軽く歪ませたセッティングです。
やはりスラップにもSANSAMP特有の艶やかさが加わりますね。
どんなベースでもSANSAMPのBASS DRIVERを使えば、このサウンドが手に入るという触れ込み通り、非常にベースの音をかっこよく、色っぽくしてくれます。
激しく歪ませて、飛び道具的に使うのではなく、ベースの音色の質をゴリゴリさせるように使用するのが効果的ではないでしょうか?
定番として、よく使用されるこの機種ですが、残念ながらEQのセッティングを誤り、バンドのアンサンブルを壊してしまうようなサウンドにしてしまっているケースも今までよく目にしてきました。
プレゼンスとトレブルの調節に気をつけて、正しく使えばベーシストにとってもバンドにとっても力強い1品になることは間違いありません。
Tech21
SANSAMP BASS DRIVER DI
メーカー希望小売価格 オープンプライス
販売価格¥24,400(税込)
MXR M80 Bass D.I+
ダイレクトボックス・プリアンプの機能を搭載していることもあり、
先ほどのSANSAMP BASS DRIVERと比較されることが多いMXR BASS DI M-80です。
EBSのMultiDriveが発売された2001年、MultiDriveが発売されてから約半年後にMXR M-80は誕生しました。
プリアンプ、DIという機能から先輩であるSANSAMP BASSDRIVERと比較されることが多く、
私自身、ライブハウスによって使い分けているといったこだわりのあるコメントを見ることも、しばしばありました。
コントロール類は【クリーン/ディスト―ション】Volume、Bass、MID、TREBLE 【ディスト―ション】BLEND、TRIGGER、GAINのつまみの他にCOLORスイッチ、ノイズゲートのオン/オフを設定するGATEスイッチ、PHANTOM/GROUNDスイッチを搭載しています。
ポイントとなるのは、COLORスイッチ。
これを押すと、ドンシャリ風のプリセットEQを呼び出すことができますよ。
歪みを若干効かせたFATサウンド
EQはフラット、GAINを軽くかけたブースターサウンドです。
※申し訳ありません・・・写真を撮り忘れました。
こちらも音圧のある艶のあるサウンドです。
SANSAMPよりは多少ざら付きが増した印象ですね。
印象的なソロに合うような、ドライブサウンド
GAINを思いっきり上げたドンシャリ傾向のディスト―ションサウンドです。
ベースにディスト―ションをかけるといった言葉通りに歪んでくれますね。
歪みは特に高域がざらざらしたようなディスト―ションで、こういったサウンドを求めるベーシストは多いと思います。
スラップにエフェクトをかけてみました。
もともとこのエフェクターが持つドンシャリサウンドにディスト―ションを軽くかけてみました。
※またまた申し訳ありません・・・写真を撮り忘れました。
SANSAMPと聴き比べると、多少落ち着いたバランスのとれたような印象をうけるサウンドですね。
もちろん、迫力や音圧は十分にあるのですが、うまくサウンドのバランスがまとまっており、聴きやすいサウンドではないでしょうか?
改めて、そのサウンドを聴いてみるとSANSAMPと比較されるのが納得できる優秀な1品ですね。
大きく違うのは、歪みの質。M80の方が、飛び道具的に歪ませたいといった要望にも応えることができるキャパシティがあると感じます。
ただ好みにもよりますが、ブースターとして使用した時には、SANSAMPが一歩リードからという印象ですね。
実際に操作してみると、音作りはM80の方がしやすい(EQのかかり具合が、実用的な範囲を飛び越えていない)という印象ですので、まだ音作りに不安のある方にも安心してすすめられますね。
MXR
M80 Bass D.I+
メーカー希望小売価格¥36,750(税込)
販売価格¥20,800(税込)
検証後記
さて、今回はベースの歪み系エフェクターの中からド定番と言えるものを中心に紹介してみましたがいかがでしたでしょうか?
ドライブと名前がついていても、ディスト―ションやファズのような使い方もできる機種もあり、そのエフェクターの持ち味を引き出すためにはじっくりと試奏してみるのがやっぱり良いですね。
ベースの歪みは、ベーシストにとって使いどころのセンスが問われるエフェクター。
ここぞというところでかっこよくエフェクトをかけていきましょう!
手に入れたからと言ってエフェクトをかけまくっていては、バンドメンバーから冷ややかな視線が飛んでくることもあるので、注意してくださいね。
まだまだ紹介したいベース用の歪みエフェクターはたくさんあります。
今後も定期的にご紹介していきますので、お楽しみに!
エフェクター徹底検証関連記事
【徹底検証】エフェクター徹底検証その1 ~オーバードライブ~
【徹底検証】エフェクター徹底検証その2 ~ブティック系歪みエフェクター①~