という事でまずはエレキギター/エレキベースを練習するにあたって、チューニングと共にと~~~~っても大切な「アンプ」の必要性について考えてみます。
そもそもアンプって何!?
アンプというのは「Amplifier」(アンプリファイヤー)の略語。なんだかカッコイイ必殺技みたいな名前です。強そう…
増幅する=Amplify ⇒ 増幅するもの=Amplifier
というわけです。エレキギターやベースなどの微弱な電流を増幅して、大きな音量で鳴らしてくれる装置のこと。
ベースの選び方でも少し触れましたが、アンプの構造は以下の画像のようになっています。
- プリアンプ
ギター本体の微弱な電流を、パワーアンプにとって必要な電流まで増幅するところ。音作りも行う。
「アンプの前」だからPre-Ampという名前です。 - パワーアンプ
電流をスピーカーで鳴らすために必要なレベルまで増幅するところ。
「アンプ」という言葉は、本来はここの事を指します。 - スピーカー
電流を音にしてくれるところ。
ここでやっと電流が音に変わります。
という構造です。
コンボタイプ
プリ、パワー、スピーカー、全部一体になっているアンプをコンボタイプと言います。
↑Fender ’68 CUSTOM TWIN REVERB。68年に生産されたFenderの名器を再現したモデル。
上部にツマミがたくさん付いてますね。ここで音を作ります。また、最終的な音量もここで決めます。
ギターアンプはこういった対応からスタートしました。
有名なメーカーはFender、VOX、MATCHLESS、Roland、BadCatあたりです。
スタックタイプ(セパレートタイプ)
プリ+パワー(ヘッド)とスピーカー(キャビネット入り)に分かれたスタックタイプ、またはセパレートタイプ、と呼びます。
大音量を求めていたギタリストのために、ジム・マーシャルがコンボアンプをセパレートさせたというのが始まり。
有名どころとしてはMarshall、Hughes&Kettner、MESA/BOOGIE、Orangeといったところ。
もちろんスタックで有名なメーカーのコンボアンプも販売していますし、逆も然り。あくまでも「有名なのは」ってことで覚えておくと損は無いですよ。
トランジスタと真空管
ギター、ベースアンプのプリ・パワーアンプは増幅を行うところ。プリも少なからず増幅を行う装置なわけですから、どうやって増幅するかが問題になってきます。最初期の増幅装置は「真空管」というものでした。ヤクルトくらいの大きさを想像して下さい。
それ以降、技術は進んでもっと小さなもので増幅が可能になりました。トランジスタの登場です。サイズは指に乗るくらいのもの。そのおかげで、家庭で練習できるような小型のアンプが登場したわけですね。
ちなみにトランジスタと真空管はこんな感じのルックスです。
●双方のメリット・デメリット
まずはいろんなアンプのタイプのサイズを比較してみます。
スタックが大きいですね。今ではトランジスタを使用した家庭用アンプが普及しているので、非常に便利です。
基本的に大きなものには真空管が使われていて、小さなものにはトランジスタ、というのが一般的ではありますが、トランジスタアンプで大音量を鳴らすRoland JC-120(後述)や、逆に家庭用アンプでも真空管サウンドを楽しめるものもあります。
今では小型アンプよりも更に小さなミニアンプやiOSで使用するものなども出回っていて、選択肢は広がります。
さらにHughes & Kettnerのヘッドの中の図を参照してください。
というわけで真空管を使用したアンプはかなり重くなります。(外側の枠も木ですし。トータルでかなりの重さ。)
ヘッドとキャビネットを合わせると約60kgくらい…。 コンボだと40kgくらい。
トランジスタのコンボだと、大型の物でもほとんど30kgをきります。
↑Roland JC-120。トランジスタアンプの先駆けであり、今もスタジオの定番モデル。
大きさ、重さの面では、運搬面を考えるとトランジスタの方が楽です。また、真空管は衝撃を加えると割れます。なので耐久性の点でもやはりトランジスタアンプのほうが可搬性に優れていると言えるでしょう。
また真空管は寿命があります。使っていると音が弱くなっていき、最終的には音が出なくなります。(「玉切れ」なんて呼ばれます)
しかし! 今も真空管の大型アンプが多くのメーカーから発売されています。なぜなのでしょうか?
それは、「多くのギタリストは真空管サウンドが好き」だからです。
もちろんトランジスタも先ほどのJC-120のようにスタジオ定番として確固たる地位を築いたモデルは存在します。トランジスタアンプだからこそ出せるソリッドなクリーンサウンドも魅力です。
BOΦWY時代のHOTEIさんはJC-160(JC-120よりも一つ上の出力のモデル)を愛用してソリッドなカッティングを聞かせていました。
ギタリストは真空管特有の温かみのあるクリーンサウンド、また真空管アンプを歪ませた時特有のサウンドに魅了されているのです。
といわけでそれぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
- 真空管アンプのメリット
クリーン、歪み共に真空管特有のサウンド - 真空管アンプのデメリット
大きい、重い、真空管が割れやすい&切れる - トランジスタアンプのメリット
耐久性に長ける、比較的軽い、真空管には無い、ソリッドなサウンドが出せる - トランジスタアンプのデメリット
真空管のような暖かみのあるサウンドは出ない
こう見ると真空管アンプってホントに手がかかる、問題児のように見えますがそのとおり。それでもそのサウンドは真空管でしか得られないので、ギタリストたちはこぞって真空管アンプを使います。
ベーシストの方々は逆に真空管にこだわりはあまり無いようです。