2014年1月、とうとう発表されたMEシリーズのフラッグシップモデル、“ME-80”。
「ME-70からのブラッシュアップ・モデルです」と聞いていたので、その進化のほどが気になってチェックしてみました。
ME-70 & ME-80をお取り寄せしてみた
さっそく両機種をお取り寄せしてみました。
はい。見慣れた、安心感のあるこのパッケージ、ME-70です。
本体サイズも若干横長。
ペダルサイズは少し小さくなっていますね。
ME-80 気になるブラッシュUP・ポイント
基本的な使い方はME-70の使用感を引き継いでいるので、とても操作しやすいです。
使用感をそのままに、どんな点が変更になったのでしょう?
■ペダル・スイッチを8個に増設
こちらがこれまでのME-70ペダル・スイッチ。
BOSSらしいペダルですよね。
そしてコレが今回新しくなったME-80のペダル・スイッチ。
一見、「目がかすんでるのかな?」なんて思ってしまいますが、違います。
一つの場所に上下2つのスイッチを設けることで、ペダル数が増えました。
■COSMアンプの増設
ME-70の本体左上に記載されているPREAMP TYPE。
アンプタイプ6種とEQ、OFFが選択できます。
そしてME-80は…
8種のアンプタイプに「AC」(アコースティック・シミュレーター)まで搭載!
かなり幅広く音作りできそうです。
また、OD/DSに注目の文字が。
「T-SCREAM」?
そう、緑色のアイツですよね、きっと。(チュー○・スクリー○ー…)
BOSSの歪みと言えばBlues Driver BD-2。
そのライバル関係にあると言っても過言じゃないチューブ・スクリーマー(あ、言っちゃったw)を直接連想させるような名前の付いた歪み。
それを使えるこのME-80ってけっこう贅沢な感じがしちゃうのはワタシだけ?
■EQセクション増設
今回、ワタクシが注目したのがこの部分。
ペダルの左側です。
ME-70はこんな感じです。
ME-80を見ると、
「EQ/FX2」だって!?
プリアンプとは別にEQが使えるようになっている…
これは音作りしやすそうだ♪
MODのところも必見。
「UNI-V」ですって…
これはきっと「Uni-Vibe」シミュレートなんだろうな….
ジミヘンが使っていたUni-Vibeは今じゃ手に入りませんが、各社がそのトリビュート的なモデルを出していますが、まさかBOSSが搭載してくるとは!
サウンド検証
それでは実際に音を聞き比べて、どのくらいブラッシュ・アップされたのかチェックしていきます!
ME-70、ME-80ともに同じ曲で演奏してみました。
■ME-70
さっそくいってみましょう!
事前にユーザープリセット「U1」バンクの中に4つのパッチを登録しておき、曲の進行と共に踏み変えています。
※REVERBは常にHALLで薄~くかけてます。
【クリーン~クランチ】
PREAMP:CLEAN
- Patch1:COMP/FX「COMP」
- Patch2:COMP/FX「COMP」、OD/DS「BOOST」
- Patch3:COMP/FX「COMP」、OD/DS「BOOST」、MODULATION「CHORUS」
- Patch4:COMP/FX「COMP」、OD/DS「BOOST」、MODULATION「CHORUS」、DELAY「100-990ms」
【クランチ~ディストーション】
PREAMP:STACK
- Patch1:COMP/FX「COMP」
- Patch2:COMP/FX「COMP」、OD/DS「DIST」
- Patch3:COMP/FX「COMP」、MODULATION「PHASER」
- Patch4:COMP/FX「COMP」、DELAY「100-990ms」
【ディストーション】
PREAMP:LEAD STK
- Patch1:COMP/FX「COMP」
- Patch2:COMP/FX「COMP」、OD/DS「OD-1」
- Patch3:COMP/FX「COMP」、MODULATION「OCTAVE」
- Patch4:COMP/FX「COMP」、DELAY「100-990ms」
とにかくME-70の印象は「使いやすい」ということ。
ハイテクな機械が苦手なワタクシとしては、マルチエフェクターというものがちょっと恐ろしいんですが(笑)、ME-70は取説を読まなくても使える簡単さ!
音は良くも悪くも「BOSS」という感じですね。
OD-1などの質感がBOSSの歪みエフェクターっぽいのですが、アンプシミュレートは少々ライン臭さが残ります。
クリーントーンだとBOSS特有のクリアさが際立ってきます。
■ME-80
ME-80でもREVERBはHALLで薄め。
そして音作りはさきほどのME-70を基準にして新たに搭載されたエフェクトなんかも使い、遊んでみました。
【クリーン~クランチ】
PREAMP:CLEAN
- Patch1:COMP/FX1「COMP」
- Patch2:COMP/FX1「COMP」、OD/DS「T-SCREAM」
- Patch3:COMP/FX1「COMP」、OD/DS「T-SCREAM」、MODULATION「CHORUS」
- Patch4:COMP/FX1「COMP」、MOD「CHORUS」、DELAY「1-99ms」
【クランチ~ディストーション】
PREAMP:LEAD
- Patch1:COMP/FX1「COMP」
- Patch2:COMP/FX1「COMP」、MOD「CHORUS」
- Patch3:COMP/FX1「T WAH DOWN」、DELAY「1-99ms」
- Patch4:COMP/FX1「COMP」、OD/DS「T-SCREAM」、DELAY「100-990ms」
【ディストーション】
PREAMP:LEAD STACK
- Patch1:COMP/FX1「COMP」、DELAY「100-990ms」(浅め)
- Patch2:COMP/FX1「COMP」、MOD「OVERTONE」
- Patch3:COMP/FX1「COMP」、MOD「CHORUS」
- Patch4:COMP/FX1「COMP」、DELAY「100-990ms」(深め)
さていかがでしょう!?
ME-80の方がライン臭さが減って、アンプらしい歪み方になっています。
これは実はEQ/FX2に秘密が。
ME-80もPREAMPをONにしただけでは、ラインっぽさは消えません。
ところがEQ/FX2セクションで、PREAMPで作った音を補正してあげるとあ~ら不思議♪
けっこう気持ちいい音になるじゃありませんか!
ME-80になってから搭載されたT-WAHやOVERTONEは結構面白いですね!
飛び道具的に使えますよ。
これなら、ME-80が得意とするパソコンとの連携で、直レコーディングもありです。
ME-70からのバージョンアップ的な見え方をしているME-80だけに、世間ではそこまで話題になっていないような印象を受けますが、実はしっかり考えられた作りになっているので、今後ジワジワと人気が伸びていく製品でしょう。
前評判と反比例した実力が、今後を期待させます。
販売価格(税抜)¥29,000 (税込 ¥30,450)
JAN:4957054504656
1月25日発売予定
その他、さらに詳細スペックは「ギタセレ新製品情報・BOSS ME-80」まで。